吉田修一の原作を映画化した「悪人」で国内外で高い評価を得た李相日監督が、
再び吉田原作の小説を映画化した群像ミステリードラマ。
日本を代表する名優・渡辺謙を中心に、
森山未來、松山ケンイチ、広瀬すず、綾野剛、宮崎あおい、
妻夫木聡と日本映画界トップクラスの俳優たちが共演しています。
物語は犯人未逮捕の殺人事件から1年後
千葉、東京、沖縄という3つの場所に、
それぞれ前歴不詳の男が現れたことから巻き起こるドラマを描いています。
東京・八王子で起こった残忍な殺人事件。
犯人は現場に「怒」という血文字を残し、
顔を整形してどこかへ逃亡。
それから1年後、
千葉の漁港で暮らす洋平(渡辺謙)と娘の愛子(宮崎あおい)の前に
田代(松山ケンイチ)という青年が現れる。
一方東京で大手企業に勤める優馬(妻夫木聡)は
街で直人(綾野剛)という青年と知り合い
一緒に暮らし始める。
そして親の事情で沖縄に転校してきた女子高生・泉(広瀬すず)は、
無人島で田中(森山未來)というバックパッカーの男と遭遇する。
田代、直人、田中の三人ともが身元がはっきりしておらず
どこか八王子の殺人事件の犯人に似ていることから
周りの人間は疑心暗鬼になってしまう。
原作を読んでいたので犯人が誰かは知っていました。
ただ、小説をどのように映像化しているのか
とても楽しみで試写会に応募しました。
2時間半の上映時間も全然長く感じられなかったくらい
物語に没頭してみることができました。
主役級の豪華俳優陣それぞれが素晴らしいです。
なかでも宮崎あおいさんが印象に残りました。
今までにない役どころを見せてくれました。
ただ犯人捜しをしながら読んだ原作とは違って
映画ではホントの意味で人を信じるってどんなことなのだろう?
いろいろ考えさせられました。
特筆すべきは広瀬すずちゃん
この汚れ役をよく引き受け、自分のモノにされたと思いました。
同じ女性として
できれば一生味わいたくない、経験したくない凌辱
例え演技であれ、あそこまで迫真に迫るシーンを撮影したら
しばらくは立ち直れないのではないかとさえ
思われるシーンを
彼女はやってのけました。
まだ若いのに大した女優魂です。
これから先、きっと素晴らしい女優さんになることだろうと
思いました。
9月17日公開のこの映画
きっと話題になること間違いない
そう思わせる素晴らしい作品でした。